Socket AM3+
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ソケット形式 | PGA-ZIF |
---|---|
チップ形状 | PGA |
接点数(ピン数) |
942(ソケット) 940(CPU) |
FSBプロトコル | HyperTransport |
FSB周波数 | 最高 3.2 GHz |
採用プロセッサ | #採用製品を参照 |
前世代 | Socket AM3 |
次世代 | Socket AM4 |
この記事はCPUソケットシリーズの一部です |
Socket AM3+は、AMDのCPUで使用するCPUソケットであり、Socket AM3の後継のソケットである。2011年 Q3発売の Bulldozerのために設計された。AM3+では、DDR3 SDRAMがサポートされている。
概要
[編集]最も大きな変化はDDR2 SDRAMのサポートが削除されたことであり、AM3+対応のマザーボード・CPUの双方がDDR3 SDRAM専用となった。また電力効率向上のためにVID信号(CPU電圧制御信号)クロックが400kHzから3.4MHzへ高速化されており、電流容量も110Aから145Aへ増大した。またAM3よりもピン穴の径が拡大されている[1]。 AM3およびそれ以前のソケットとの区別をつけやすくするため、AM3+では黒いソケットが採用されている。この黒いソケットそのものの名称は「AM3b」である。
仕様
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Socket AM3からソケットの接点が1つ増えて942接点となっているが、従来のAM3対応Phenom IIやAthlon IIなどはAM3+対応マザーボードでも動作する。また、CPU側はピンが2本増えて940本となったものの[2]、各マザーボードメーカーは(一部機能が制限されるが)BIOSアップデートによって一部のAM3+対応CPUをAM3対応マザーボードで動作させることを可能とした。一方で、先述の通りDDR2 SDRAMのサポートが削除されたためAM2+以前のDDR2系のシステムではAM3+対応CPUは動作せず、その逆も同様である。簡単にまとめると、
- AM3プロセッサはAM3+マザーボードで動作する。
- AM3+プロセッサはAM3マザーボードで条件付きで動作する(対応状況の確認が必要)。
- AM3+プロセッサはAM2+およびAM2マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。
- AM2+およびAM2プロセッサはAM3+マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。

但し特殊な製品として、AM2世代のチップセットとDDR2 SDRAM・DDR3 SDRAM双方のメモリスロットを組み合わせ、CPUソケット部品のみ黒いAM3bソケットを使用したものがある[3]。このような製品はHyperTransportのクロック周波数が1GHzまでであるなど仕様としてはAM2そのものであり、ソケットがAM3bであってもAM3+マザーボードと呼べるものではない。このマザーボードはAM2からAM3+までのあらゆるCPUに対応するが、AM2以外のプロセッサを取り付けてもHyperTransportの遅さがボトルネックになり本来の速度で動作しない。またAM2やAM2+プロセッサでDDR3 SDRAMを使用したり、AM3+プロセッサでDDR2 SDRAMを使用できるようになるわけではなく、使用するCPUが対応するメモリだけが使用できる[4]。
マザーボード | |||||
---|---|---|---|---|---|
Socket AM2 |
Socket AM2+ |
Socket AM3 |
Socket AM3+ | ||
C P U |
Socket AM2 |
Yes | No | ||
Socket AM2+ |
Yes | No | |||
Socket AM3 |
Yes [注 1] |
Yes | |||
Socket AM3+ |
No | Yes [注 1] |
Yes |
採用製品
[編集]一部のチップセットでは、チップセット側の制限によりHyperTransport 2.0までの対応となる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Bulldozerアーキテクチャ徹底解説 DOS/V POWER REPORT 2011年12月号
- ^ “Bulldozerは気難しい──AMDの新CPUアーキテクチャ“Zambezi”を試す”. 2025年2月1日閲覧。
- ^ “一見普通だが実は変態だったASRockのGeForce 7025搭載マザー「N68C-GS4 FX」”. 2025年2月1日閲覧。
- ^ N68C-GS FX 商品ページ ASRock社サイト(英語)