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Socket AM3+

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Socket AM3+
ソケット形式 PGA-ZIF
チップ形状 PGA
接点数(ピン数) 942(ソケット
940(CPU
FSBプロトコル HyperTransport
FSB周波数 最高 3.2 GHz
採用プロセッサ #採用製品を参照
前世代 Socket AM3
次世代 Socket AM4

この記事はCPUソケットシリーズの一部です

Socket AM3+は、AMDCPUで使用するCPUソケットであり、Socket AM3の後継のソケットである。2011年 Q3発売の Bulldozerのために設計された。AM3+では、DDR3 SDRAMがサポートされている。

概要

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最も大きな変化はDDR2 SDRAMのサポートが削除されたことであり、AM3+対応のマザーボード・CPUの双方がDDR3 SDRAM専用となった。また電力効率向上のためにVID信号(CPU電圧制御信号)クロックが400kHzから3.4MHzへ高速化されており、電流容量も110Aから145Aへ増大した。またAM3よりもピン穴の径が拡大されている[1]。 AM3およびそれ以前のソケットとの区別をつけやすくするため、AM3+では黒いソケットが採用されている。この黒いソケットそのものの名称は「AM3b」である。

仕様

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Socket AM3 CPU(Phenom II X4 840)はSocket AM3+マザーボード

Socket AM3からソケットの接点が1つ増えて942接点となっているが、従来のAM3対応Phenom IIAthlon IIなどはAM3+対応マザーボードでも動作する。また、CPU側はピンが2本増えて940本となったものの[2]、各マザーボードメーカーは(一部機能が制限されるが)BIOSアップデートによって一部のAM3+対応CPUをAM3対応マザーボードで動作させることを可能とした。一方で、先述の通りDDR2 SDRAMのサポートが削除されたためAM2+以前のDDR2系のシステムではAM3+対応CPUは動作せず、その逆も同様である。簡単にまとめると、

  • AM3プロセッサはAM3+マザーボードで動作する。
  • AM3+プロセッサはAM3マザーボードで条件付きで動作する(対応状況の確認が必要)。
  • AM3+プロセッサはAM2+およびAM2マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。
  • AM2+およびAM2プロセッサはAM3+マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。
Socket AM3+のマザーボード

但し特殊な製品として、AM2世代のチップセットとDDR2 SDRAM・DDR3 SDRAM双方のメモリスロットを組み合わせ、CPUソケット部品のみ黒いAM3bソケットを使用したものがある[3]。このような製品はHyperTransportのクロック周波数が1GHzまでであるなど仕様としてはAM2そのものであり、ソケットがAM3bであってもAM3+マザーボードと呼べるものではない。このマザーボードはAM2からAM3+までのあらゆるCPUに対応するが、AM2以外のプロセッサを取り付けてもHyperTransportの遅さがボトルネックになり本来の速度で動作しない。またAM2やAM2+プロセッサでDDR3 SDRAMを使用したり、AM3+プロセッサでDDR2 SDRAMを使用できるようになるわけではなく、使用するCPUが対応するメモリだけが使用できる[4]

ソケット互換
マザーボード
Socket
AM2
Socket
AM2+
Socket
AM3
Socket
AM3+
C
P
U
Socket
AM2
Yes No
Socket
AM2+
Yes No
Socket
AM3
Yes
[注 1]
Yes
Socket
AM3+
No Yes
[注 1]
Yes

採用製品

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CPU
チップセット

一部のチップセットでは、チップセット側の制限によりHyperTransport 2.0までの対応となる。

脚注

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注釈 

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  1. ^ a b BIOS次第で対応

出典 

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外部リンク

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