MS NOW
| MS NOW | |
|---|---|
| 開局日 | 1996年7月15日 |
| 所有者 | NBCユニバーサル (82%) マイクロソフト (18%) |
| 映像方式 | 480i (SDTV) 1080i (HDTV)[1] |
| スローガン | "This is who we are"[2] |
| 国 | アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| 放送エリア | アメリカ合衆国 カナダ |
| 本社 | 30ロックフェラー・センター ニューヨーク |
| 旧称 | America's Talking (1994–1996) MSNBC (1996–2025) |
| 関連チャンネル | CNBC CNBCワールド NBC ザ・ウェザー・チャンネル |
| ウェブサイト | https://www.ms.now/ |
視聴可能 | |
| 地上波放送 | |
| セレクティブTV (アレクサンドリア, MN) | K57JX (Channel 57) |
| WPXW-TV (マナッサス, VA) | モバイルデジタルテレビ Channel 66.4 |
| MSNBC (独ベルリン) | DVB-T Channel 23 |
| 衛星放送 | |
| ディレクTV (US) | Channel 356 (SD/HD) |
| ディッシュ・ネットワーク (US) | Channel 209 (SD/HD) |
| ベルTV (カナダ) | Channel 1588 (HD) |
| ショー・ダイレクト (カナダ) | Channel 511 |
| ケーブルテレビ | |
| 米加のケーブルシステム | 地域により異なる |
| 衛星ラジオ | |
| XM | Channel 120 |
| シリウス | Channel 90 |
| IP放送 | |
| AT&T U-verse (US) | Channel 215 (SD) Channel 1215 (HD) |
| Verizon FiOS (US) | Channel 103 (SD) Channel 603 (HD) |
| Bell FibeTV (カナダ) | Channel 1588 (HD) |
| TELUS TV (カナダ) | Channel 97 |
MS NOW(旧称・MSNBC)は、1996年に開局したアメリカ合衆国向けのニュース専門放送局。「My Source News, Opinion and the World」の略称である[3]。かつてのチャンネル名称である「MSNBC」は放送ネットワークNBCとマイクロソフトが共同で設立したものであり、マイクロソフトのポータルサイト・MSNとNBCを組合せたものがチャンネル名となっていた。
概要
[編集]ニュースに関してはNBCが所有する取材源(NBCニュース、CNBC、全米のNBC加盟放送局など)やワシントン・ポスト、ニューズウィークと提携。
テレビ放送は2000年代後半から政治ニュースを扱う番組が中心になり、リベラル派キャスターの活躍が注目されている。速報性を重視し、主要ニュースに多くの時間を割く傾向は開始時から受け継がれる。視聴者数がCNNやFOXニュースチャンネルの後塵を拝し続け、長年に渡って採算が取れないのが課題となり、マイクロソフトは2005年末から2006年にかけてテレビ部門の株をNBCに売却した。
インターネットはマイクロソフトが運営するポータルサイトMSN(アメリカ英語版)のニュース部門として「msnbc.com」を開設。NBCを含むニュース番組のオンライン配信を行うなど、NBC・MSNのブランドを活かしたコンテンツ展開でCNNと肩を並べる存在となる。インターネット部門が好調なことから専門子会社に切り離す。
歴史
[編集]1996年7月開局。NBCが2年間続けていたケーブルチャンネル「America's Talking」(アメリカズ・トーキング)を閉鎖、全く新しいニュースチャンネルとして発足した。9月からはドン・アイマスがパーソナリティーを務める人気ラジオ番組「Imus in the Morning(アイマス・イン・ザ・モーニング)」の同時放送を開始。11月にはNBCが入居するロックフェラーセンターからニュージャージー州にある新社屋に移転。
1990年代後半はインターネット・電子メールで意見を募集したり、CGなどコンピューター技術を活かす番組に取り組む(「The Site」や「Feedback」など)。しかし、なかなか長続きする番組が揃わない状態が続く。1999年、NBCの「Today」を再編集した番組を放送。2000年からは週末を中心にドキュメンタリー番組の放送を開始。
2002年にブライアン・ウイリアムズの番組がCNBCに移動、後任にジョー・スカーボロ(Joe Scarborough「スカボロウ」とも表記)を起用、これでCNBCと完全に別番組を編成することになった。ライバルFOXのビル・オライリーが活躍する午後8時台にはトーク番組の重鎮・フィル・ドナヒューを起用したが、2003年のイラク戦争報道を前にキース・オルバーマンが担当することになる。しかし、視聴者数がCNNヘッドラインニュースに追いつかれて互角になるなど、未だに低迷が続いていた。
2005年にはCNNからタッカー・カールソンを起用するなど夜のニュース番組の数を増やしたが、2006年には縮小する。この時、法律/犯罪分野が消えて政治を専門とした番組が残った格好となり、キース・オルバーマンの「反ブッシュ」姿勢が顕著となる。
2007年4月11日、番組内でドン・アイマスが人種差別発言をしたことが全米中で問題となり、翌12日に放送がキャンセル。後継探しの結果、ジョー・スカーボロを起用。経費削減として編集セクションとスタジオをNBCニュースと共同化する為、ニュージャージーの社屋を閉鎖して、ロックフェラーセンターのGEビルに移転。
2008年、1年近くに渡るアメリカ大統領選挙報道を見据え、政治ニュースを提供するチャンネルだと強調する「The Place for Politics」をスローガンに。MSNBCのコメンテーターや臨時ホストを務めているリベラル派のレイチェル・マドーをキャスターに起用したところ、MSNBCが初めてラリー・キング・ライブに視聴者数で追い抜く躍進を見せる。プライムタイムで視聴者が1年間で61%増加し、20-54歳の年齢層ではFOXニュースやCNNと互角の状況となる。
2009年、4月にラジオパーソナリティーのエド・シュルツを起用。中道・リベラル寄りとされていて、左派の起用が目立つ格好となる。6月からHD放送を開始、昼間の6時間を改編したが大コケした。2010年、新番組にローレンス・オドネルを起用。
2011年1月21日、キース・オルバーマンが突然番組終了を発表[4]。MSNBCのスポークスマンは契約途中終了を発表するのみで、その原因にはふれなかった[5]。
CNNとプライムタイムの視聴率競争は2008年から本格化し、2009年通年ではCNNに軍配が上がるも、2010年はMSNBCが上回っている。一方でリバタリアンであるスカーボロの「Morning Joe」は党派に関係なく登場してCNNと互角の関係で時折上回る成績を残す。
Pew Research Centerによる米国における2013年のニュースメディアの現状を示す報告書によると、MSNBCの番組の85%がキャスター個人の論評や意見であり、事実を純粋に伝える報道が15%であるとされた。またSNL Kaganの試算によれば、2012年の番組制作費用は2億4000万ドルで、FOXやCNNより圧倒的に少ないものと見られている。[6]
2018年12月27日週の総視聴者数で156万人を記録し18年間に渡り首位であったFOXニュースを破り初の首位に浮上した[7]。
2024年6月、国際連合事務総長のアントニオ・グテーレスは、激化する地球温暖化を受けて、MSNBCをはじめとする大手メディアに化石燃料業界の広告掲載(グリーンウォッシングへの協力)をやめるよう警告しているが、MSNBCは未だに化石燃料の広告掲載を続けている[8]。
2025年8月、コムキャストが進めているケーブルテレビ部門の分社化に伴い、本チャンネルの名称を「MS NOW」に改称することが複数のメディアから報じられた。新しい親会社となるバーサントの最高経営責任者(CEO)に就任する予定のマーク・ラザラスはMS NOWの略称について、「My Source News, Opinion and the World」であると説明している[3][9][10]。
2025年11月15日、MS NOWへのチャンネル名称変更を実施した[11]。
主な番組
[編集]平日
[編集]| ET | 番組名 | キャスター | 備考 |
| 5:00 | First Look | ||
| 5:30 | Way Too Early | Thomas Roberts | Morning Joeの事前番組 |
| 6:00 | Morning Joe モーニング・ジョー |
ジョー・スカーボロ | 元共和党下院議員 |
| 9:00 | The Daily Rundown | Chuck Todd | NBCニュース ホワイトハウス支局長 |
| 10:00 | Jansing and Co. | Chris Jansing | |
| 11:00 | NewsNation with Tamron Hall | Tamron Hall | |
| 12:00 | Andrea Mitchell Reports | Andrea Mitchell | NBCニュース 外交問題担当記者 |
| 13:00 | Ronan Farrow Daily | Ronan Farrow | |
| 14:00 | The Reid Report | Joy Reid | |
| 15:00 | The Cycle | Krystal Ball Ari Melber Touré Abby Huntsman |
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| 16:00 | NOW with Alex Wagner | Alex Wagner | |
| 17:00 | The Ed Show ジ・エド・ショー |
エド・シュルツ | ベテランのラジオパーソナリティー |
| 18:00 | PoliticsNation with Al Sharpton | Al Sharpton | |
| 19:00 | Hardball with Chris Matthews ハードボール・ウィズ・クリス・マシューズ |
クリス・マシューズ | |
| 20:00 | All In with Chris Hayes | Chris Hayes | |
| 21:00 | The Rachel Maddow Show ザ・レイチェル・マドー・ショー |
レイチェル・マドー | ラジオ「Air America」にも出演 |
| 22:00 | The Last Word ザ・ラスト・ワード |
ローレンス・オドネル | |
| 23:00 | 翌5:00まで再放送 | ||
週末
[編集]日中は"MSNBC Report"がメインだが、現在はそこから"Up with Steve Kornacki" "Melissa Harris-Perry" "Weekends with Alex Witt"などがスピンオフしている。早朝に"Your Business"が放送されており、夜間はドキュメンタリーが中心。
脚注
[編集]- ^ MSNBC to Go HD in June
- ^ “MSNBC Launches New Ads With 'This Is Who We Are' Tagline”. MSNBC (2017年3月8日). 2017年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月12日閲覧。
- ^ a b Miller, Hannah (2025年8月19日). “米CATV局MSNBCが「MS NOW」に改称へ-分社化計画の一環”. Bloomberg.com. 2025年8月19日閲覧。
- ^ “Final Countdown: Keith Olbermann And MSNBC Announce They Are Parting Ways (VIDEO)” (English). ハフィントン・ポスト. (2011年1月21日) 2011年1月23日閲覧。
- ^ “Olbermann signs off msnbc” (English). MSNBC. (2011年1月22日) 2011年1月23日閲覧。
- ^ “Pew Study Finds MSNBC the Most Opinionated Cable News Channel By Far” (English). Forbes. (2013年3月18日) 2014年6月8日閲覧。
{{cite news}}:|publisher=では太字とイタリック体は使えません。 (説明)⚠ - ^ MSNBCはFOXニュースから18年ぶりに視聴者数首位を獲得 2018年12月28日配信 Onebox News
- ^ Noor, Dharna (2024年6月7日). “News and tech media mostly quiet after UN chief calls for ban on ads for oil and gas”. ガーディアン 2024年9月6日閲覧。
- ^ “Comcast Announces Intention to Create Leading Independent Media Business Through Spin-Off of Select Cable Television Networks”. Comcast Corporation (2024年11月20日). 2025年8月19日閲覧。
- ^ Varghese, Harshita Mary (2025年8月18日). “「MSNBC」が「MS NOW」へ、米コムキャスト事業分離控え”. ロイター通信 2025年8月19日閲覧。
- ^ Barr, Jeremy (2025年11月14日). “What’s in a name? MS NOW – formerly MSNBC – will soon find out”. The Guardian 2025年11月19日閲覧。