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海燕(かいえん)は、日本の月刊文芸雑誌である。1980年代から1990年代にかけて福武書店から刊行されていた。
創刊当初は、地方の文学という項目も設けて、埋もれていた才能の発掘に力をいれていた。島田雅彦・小林恭二・佐伯一麦たちがこの雑誌から登場した。
しかし、文芸雑誌全体の不振のなかで、部数も減り、最末期には実売部数よりも新人賞の応募者数のほうが多いと揶揄される状態になり、出版元の文芸部門からの撤退とともに廃刊となった。
井伏鱒二『鞆ノ津茶会記』富士川英郎『菅茶山』など、地味な大作が連載されていたのも特徴であった。