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Affinity Designer

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Affinity Designer
Affinity Designerのロゴ
AffinityDesigner1.10がWindows上で動作している様子
開発元 Serif (Europe) Ltd.
最新版
1.10.4 / 2021年10月29日 (4年前) (2021-10-29)
対応OS macOSWindowsiOS
種別 ドローソフト
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト Affinity Designer
テンプレートを表示

Affinity Designer(アフィニティ デザイナー)は、Serif Europeが販売するベクターイメージ編集ソフトウェアドローソフト)であり、macOSWindows、iOS(iPad版)にて提供されている。

概要

主にイラストレーションロゴタイプ図面、広告、画面設計など、デザインを描画するソフトウェアである。特にAdobe Illustratorの代替となる事をアピールしており、AI、PSDEPSSVGPDFなどの一般的なグラフィックファイル形式と互換性がある。Affinity Designerをはじめとするセリフ社の製品は買い切り型のソフトウェアであり、サブスクリプション形式との差別化を強調している。

機能

Affinity Designerは3つのペルソナモードを切り替えて使用する。モードごとに得意とする画像処理の分野が分かれている。

デザイナーペルソナ

デザイナーペルソナ
デザイナーペルソナのアイコン

主にベクターデータを扱う。カーブやシェイプの作成、ペンツールによるベジェ曲線の生成、塗りつぶし、切り抜き、文字の挿入など、Affinity Designerの最も基本的なモードである。

ピクセルペルソナ

デザイナーペルソナ
ピクセルペルソナのアイコン

主にラスターデータを扱う。ブラシツールや鉛筆ツールといった描画機能、選択範囲の生成やマスキング処理、ぼかしやシャープネスなどを用いたレタッチ機能など。同じAffinityシリーズのAffinity Photoが得意とするデジタル画像編集を簡易的に実行するモード。

書き出しペルソナ

デザイナーペルソナ
書き出しペルソナのアイコン

ファイルの書き出しを行うモード。画像の分割やサイズ変更、複数のファイル形式への出力などの設定を行える。


ファイル形式

Affinity Designer File
拡張子 .afdesign
MIMEタイプ application/octet-stream
開発者 Serif (Europe)
種別 画像ファイルフォーマット
テンプレートを表示

Affinity Designerが出力するデフォルトのファイル拡張子は .afdesignである。afdesignファイルは1つ以上の画像レイヤー、図形、テキスト、鉛筆やペンの描画、ペイントストロークなど、Affinity Designerの要素を格納するファイル形式となっている。

類似するソフトウェアと差異

Adobe IllustratorCorelDRAWGravit DesignerCanvasInkscape、そして開発・販売が終了したAdobe Fireworks(旧Macromedia Fireworks)などが類似するソフトである。

FireworksはAffinity Designerと特に似ていると言える。非破壊オブジェクトの扱い方や、ベクターデータとラスターデータを混在させながらシームレスなグラフィックデザインを行う設計などの共通点がある。Affinity DesignerではAI、EPSPDFSVGをはじめとする複数のフォーマットの読み込みに対応している。表示において一定の互換性が保たれているが100%とは言えない。

Affinity Designer特徴として、ベクターデータラスターデータを混在させつつスムーズに画像制作が出来る設計。スナッププリセットを切り替える事で、印刷用途やUIデザインなど形態に即したオブジェクト配置に切り替える機能。多機能なスライスツールによりファイル出力機能が充実している事。Affinity PhotoAffinity Publisherとワンボタンで高速にファイルを行き来して編集できる点。iOS版Affinityシリーズとのファイル互換性によりiPadWindows/macOSで高度で一環した画像制作を行える事などが挙げられる。しかしながら類似ソフトウェアのアップデートによりいくつかの特色は薄れつつある分野も散見される。

歴史

Affinity Designerは過去にSerifが開発・販売していたDrawPlusの後継ソフトとして発表された。DrawPlusがWindows版のみの提供であった事や、度重なるアップデートによりメンテナンスが困難になった事の改善を目的として開発された。

2014年10月に、新世代のデザインツールとして、Mac App Storeにてリリースされた。64ビットとマルチコアに最適化し、Grand Central DispatchMetalCore Graphics等のAppleの新しいテクノロジーを利用しており、WWDC 2015において、Apple Design Award 2015に選出されている[1]

2016年11月17日に、Windows版がリリースされた[2]

2018年7月に、iPad版がリリースされた。

2020年11月12日、Macの新プロセッサApple M1に対応するため、macOS版のみバージョン1.8.6をリリースした[3]

リリース履歴

macOSおよびWindows版

バージョン リリース日 備考
サポート終了:1.0 2014年10月02日 Mac版公開。
サポート終了:1.2 2015年04月02日 テキストパス機能、コーナーツールの追加。
サポート終了:1.3 2015年07月09日 Windows向けベータ版公開。
サポート終了:1.4 2016年02月12日 日本語に対応。アートボード、キャンバスの回転、キーボードショートカット機能の追加。
サポート終了:1.5 2017年07月19日 シンボル機能、制約機能の追加。
サポート終了:1.6 2017年11月02日 フォント機能の強化。
サポート終了:1.7 2019年06月05日 ブラシストークの改善、Metalアクセラレーション対応による高速化、HDR/EDRモニタの対応。
サポート終了:1.8 2020年02月26日 カーブのストロークの改善。テンプレート機能の追加。PSDスマートオブジェクトの読み込み対応。
サポート終了:1.9 2021年02月04日 類似レイヤーの選択、輪郭ツール、画像のリンク化の機能を追加。
現行バージョン:1.10 2021年8月5日 パフォーマンスの改善。
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

iPad版

バージョン リリース日 備考
サポート終了:1.6 2018年07月11日
サポート終了:1.7 2019年06月05日 ノードツール、変形ツール、グリッドやカラムシステムの強化。調整ウィジェットの追加。
サポート終了:1.8 2020年02月26日 テンプレート機能、キーボードショートカットのカスタマイズ機能の追加。カーブルのストークの改善。
サポート終了:1.9 2021年02月04日 類似レイヤーの選択、輪郭ツール、外部ディスプレイ設定機能の追加。
現行バージョン:1.10 2021年8月5日 パフォーマンスの改善。
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

シリーズ製品

脚注

外部リンク