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OpenServer

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SCO OpenServer
開発者 The SCO Group
OSの系統 UNIX System V
開発状況 現在進行中
ソースモデル クローズドソース
最新安定版 6.0.0 MP2 / 2006年3月8日
カーネル種別 モノリシックカーネル
ライセンス プロプライエタリ
ウェブサイト SCO OpenServer 6
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SCO OpenServerはSanta Cruz Operation (SCO) が開発したクローズドソース版のUNIXオペレーティングシステム (OS) である。かつてはSCO UNIXSCO Open Desktop (SCO ODT) と称していた。現在はSCO Groupが保守している。

歴史

SCO UNIX/SCO Open Desktop

SCO UNIXはSCO XENIXの後継として登場したもので、System V Release 3.2にXENIXのデバイスドライバやユーティリティを統合したものであった。SCO UNIX System V/386 Release 3.2.0は1989年、SCO XENIXの後継製品としてリリースされた。基本OS製品にはTCP/IPネットワーク機能やX Window Systemは含まれていない。その後間もなくそれら機能を含めた製品をSCO Open Desktopの名前でリリースした。1994年には、追加のSMPパッケージSCO MPXをリリースしている。

同じころ、AT&TはXENIX、BSDSunOSSystem Vの機能を統合したSystem V Release 4を完成させた。SCO UNIXはSystem V Release 3ベースのままだったが、Release 4の新たな機能のほとんどを吸収していった。

1992年にリリースされたSCO UNIX 3.2v4.0とOpen Desktop 2.0では、長いファイル名シンボリックリンクをサポート。1995年にはOpenServer Release 5.0.0と名前を変え、ELF実行形式と動的共有ライブラリ、DLM(ダイナミック・ローダブル・カーネルモジュール)機能を追加サポートした。

UnixWareとの統合

SCOは1995年UnixWareの配布権とその System V Release 4コードベースをノベルから購入した。ノベルはUNIXの著作権と特許権は保持し続け、SCOはUNIXの具体的実装である製品の所有権を保持することになった。その後SCOは購入したUnixWareのソースコードの一部をOpenServerに利用できるようになった。Release 6が登場するまでは、UnixWareからの流用はコンパイラシステム、UDIドライバ・フレームワーク、USBサブシステムに限られていた。

1990年代末にはSCOのUNIXシステムを使ったシステムを販売する付加価値再販業者 (VAR) は全世界に約15,000ほど存在した。

2000年8月2日、SCOはUnixWareとOpenServerを含む部門をカルデラに売却することを発表した。この買収は2001年5月に完了している。旧SCOの残りの部門はタランテラに社名を変更し、カルデラは2002年SCO Groupに社名を変更した。

SCO Group

SCO GroupはOpenServerの開発と保守を続けた。現在も既に古い5.0.x(3.2v5.0.xベース)を保守し続けており、最も新しいのは5.0.7である。

2005年6月22日、OpenServer 6.0がリリースされた。SCO OpenServer 6はSystem V Release 5のUNIXカーネルを使っており、C言語およびC++でのネイティブなマルチスレッド機能、POSIXインタフェース経由のJavaのマルチスレッド機能をサポートしている。OpenServer 6の新たな機能として、カーネルレベルのマルチスレッドがあり、ApacheSambaMySQLOpenSSHMozilla FirefoxKDEといった各種オープンソースアプリケーションがバンドルされている。

また、新たにSMPサポートが強化され(最大32プロセッサまで)、パーティション毎に1テラバイトまでサポートし、ファイルシステム性能が強化され、メモリも最大64GBまでサポートしている。

OpenServer 6.0はXENIX 286向けに開発されたアプリケーションまで互換性を考慮している。さらにSCOは価格設定とライセンス条件を変更し、OpenServer 5.0.7と同価格で2倍のユーザー数、4倍のCPU数、4GBメモリサポートを提供している[1]

著作権問題

2007年8月10日、ノベルとの著作権紛争で、裁判所はUNIXとUnixWareの著作権はノベルが保有しているとの判断を下し、SCOが徴収しようとしているライセンス料をノベルが差し止める権利があるとした。しかし、この裁判は完全には終了しておらず、まだ予断を許さない。

外部リンク