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Secure Hash Algorithm

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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SHAエスエイチエー、Secure Hash Algorithm)は、一群の関連したハッシュ関数であり、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) によってアメリカ政府標準のハッシュ関数 Secure Hash Standard (SHS) として採用されている。

概要

アルゴリズムはMD4を元にしており、MD5よりも攻撃に対して強いと考えられている。

2007年現在、SHAは生成するビット長が異なるSHA-1(160ビット)、SHA-224、SHA-256、SHA-384、SHA-512の5種類が存在している。このうちSHA-224以外は2002年8月のFIPS Publication 180-2の初版に含まれている。SHA-224はChange Notice 1として、2004年2月に同規格に追加された。

もっともよく使われる関数SHA-1でTLS、SSL、PGP、SSH、S/MIME、IPSecなど、さまざまなセキュリティアプリケーションプロトコルに採用されている。 SHA-1は、以前から広範囲に使われているハッシュ関数であるMD5に代わるものであると考えられている。SHAアルゴリズムは国家安全保障局 (NSA) によって開発され、アメリカ政府の標準として発表された。

グループのメンバーで1993年にはじめに発表されたものは、公式にはSHAと呼ばれている。しかしその後のものと区別するためにしばしばSHA-0と呼ばれている。2年後、SHAに初めての後継となるSHA-1が発表された。さらにSHA-224SHA-256SHA-384SHA-512と4つの変形が、増加する出力の範囲とわずかなデザインの違いで発行されている。それらはしばしばまとめてSHA-2といわれている。

SHA-0、SHA-1ともに、対象とした攻撃(ハッシュ値の強衝突耐性突破)が見つかっているが、SHA-2には攻撃された記事はまだない。「MD5」の「ハッシュの衝突耐性について」の項も参照。

SHA-1

SHA-1
一般
設計者 NSA
初版発行日 1993 (SHA-0), 1995 (SHA-1)
シリーズ (SHA-0), SHA-1, SHA-2, SHA-3
認証 FIPS PUB 180-4, CRYPTREC (運用監視)
詳細
ダイジェスト長 160 bits
構造 Merkle–Damgård construction
ラウンド数 80
最良の暗号解読
A 2011 attack by Marc Stevens can produce hash collisions with a complexity of 261 operations.[1] No actual collisions have yet been produced.

SHA1のハッシュキーの長さは、160ビット= 2160(約 1.4615×1048 = 1.5(ごく) = 1.5の1京倍の1京倍)通りのハッシュ値をとる。 GNU/Linux上ではmd5sumとほぼ同じインターフェイスを持つsha1sumというコマンドがあり、SHA-1メッセージダイジェストの生成と検証が可能で、40桁の16進数で表される。

SHA1("") = da39a3ee 5e6b4b0d 3255bfef 95601890 afd80709(入力データ長が0バイトの場合)

SHA-2

SHA-2
一般
設計者 NSA
初版発行日 2001
シリーズ (SHA-0), SHA-1, SHA-2, SHA-3
認証 FIPS PUB 180-4, CRYPTREC, NESSIE
詳細
ダイジェスト長 224/256 bits or 384/512 bits
構造 Merkle–Damgård construction
ラウンド数 64 or 80
最良の暗号解読
A 2008 attack breaks preimage resistance for 46 out of 80 rounds of SHA-512, and 41 out of 64 rounds of SHA-256.[2] Collision attacks against up to 24 steps of SHA-256[2]

SHA2のハッシュキーの長さは、256ビット=2256(約 1.579×1077)通りのハッシュ値をとり、64桁の16進数で表される。SHA-2を求めるには、例えば、

gpg --print-md SHA256 filename

などとすることもできる。

SHA256("") = e3b0c442 98fc1c14 9afbf4c8 996fb924 27ae41e4 649b934c a495991b 7852b855(入力データ長が0バイトの場合)

SHA-3

SHA-3
一般
設計者 Guido Bertoni, Joan Daemen, Michaël Peeters, and Gilles Van Assche.
認証 SHA-3採用
詳細
ダイジェスト長 arbitrary
速度 12.5 cpb on Core 2 [r=1024,c=576].

SHA-3としてKeccakが、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) が公募した新しいハッシュ関数アルゴリズムとして、2012年10月2日に選出された[3]

関連項目

脚注

  1. ^ Marc Stevens. hashclash - Framework for MD5 & SHA-1 Differential Path Construction and Chosen-Prefix Collisions for MD5. http://code.google.com/p/hashclash/. 
  2. ^ a b Yu Sasaki, Lei Wang, and Kazumaro Aoki (2008-11-25). Preimage Attacks on 41-Step SHA-256 and 46-Step SHA-512. http://eprint.iacr.org/2009/479.pdf.  引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "preimage-sasaki"が異なる内容で複数回定義されています
  3. ^ NIST Selects Winner of Secure Hash Algorithm (SHA-3) Competition”. NIST. 2012年10月2日閲覧。

外部リンク