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Advanced Access Content System

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Advanced Access Content System (AACS) は、コンピュータ家電メーカーが結成した団体AACS LAが策定した映像コンテンツコピープロテクト規格。次世代DVDと言われるHD DVDBlu-ray Discの再生専用ディスクと書き込み用ディスクで採用されている。もちろん、個人や小規模な団体などでBDBD-Video形式)やHD DVDの制作を行なう場合でも、このコピープロテクトを採用する事は可能である。著作権への意識の高まりから、AACSは、一般消費者(特に映像制作などに力を入れているアマチュアなど)の間でも注目されている。


概要

HD DVDBlu-ray両陣営の推進メーカーが参加し、共通する著作権保護機構を策定している。DVD-Videoのアクセスコントロール技術であるContent Scramble System (CSS) が破られてコピーが蔓延していることなどを踏まえ、より強固なコピープロテクトを実装している。しかし、それも既に破られコピーされたBlu-ray Discが再生されていると思しき様子が、YouTubeなどにアップロードされている。また、AACSを除去するソフトも存在する。もちろん、日本国内では、コピーを保存する目的でのアクセスコントロールの解除は、コピープロテクトの解除に該当し、違法行為(ただし、その著作物の保護期間が満了し、パブリックドメインとなった場合には、この限りではない。)となる。

AACSは、既存のコピーガード技術とは違い、Blu-ray Discソフトに書き込まれており、最新のBlu-ray Discによってバージョンが自動的にハードウェアに書き換えられている。また、一度AACSが突破されると、より強固な暗号鍵のバージョンに更新されていく。今後、AACSは破る側とのいたちごっこの状態に陥る可能性がある。もっとも、Blu-ray Discについては、「BD+」という、より強力なコピープロテクトが設定されてはいるのだが、BD+を除去するソフトも存在する。また、策定の遅れがHD DVDBD機器やソフトの発売時期に影響を与えた。

Image Constraint Token

アナログ出力による違法コピーを防止するため映像・音声出力にHDMIなどのセキュアなデジタルインタフェースを必須とする、Image Constraint Token(ICT)も制定された。具体的には、SD(標準画質)でのアナログ出力は可能だが、HD(ハイビジョン画質)では、アナログ出力が認められず、強制的にSDにダウンコンバートされるというシステムである。裁定の理由はアナログ出力からのコピープロテクトは非常に困難であり、無理にコピーガードを設定すれば大幅な画質の劣化・変質を引き起こしかねないため、コピーガードをかけやすいデジタル出力に限定する為である。
裁定と同時に採用しようとしたものの、HDMI非搭載のテレビが巷にあふれていることから各方面で反対意見が続出し、HDでのアナログ出力禁止の仕組みは残した上でSD・HDともアナログ出力が許可された。尚、2010年12月31日よりHDでのアナログ出力が禁止され、2013年12月31日よりアナログ出力が全面禁止されることがAACS Final Adopter Agreementで決定した。
ただし、あくまでAACSに伴うアナログ出力規制の対象となるコンテンツの再生時のみであって、例えば、家庭用ビデオカメラで撮った大切な思い出の映像AVCHD動画など)などが入ったディスクや過去に録画したアナログテレビ放送などが入ったディスク、市販DVDビデオ、あるいは、自分たちで企画撮影編集などを手掛けたオリジナルのBDMVタイトルなどは、これまで通りコンポジットSコンポーネントなどのアナログ端子から映像音声が出力されるという。このため、2014年以降に、例えば、その時まだ現役のデジタルチューナー非搭載のテレビにBDレコーダーを接続して、外付け地デジチューナーとして使う事も可能である。また、この規制は発売時期による規制であり、この規制がされる前に発売された機種は規制の対象外である(但し、2010年以前に発売された機種であっても、2012年以降はHD出力規制なしでの継続販売は不可能となる)。

AACS LAの創立メンバー

関連項目

外部リンク