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『海燕』(かいえん)は、日本の月刊文芸雑誌。1巻1号(1982年1月号)から15巻11号(1996年11月号)まで福武書店(14巻4号よりベネッセコーポレーションに社名変更)から刊行されていた。
創刊当初は、地方の文学という項目も設けて、埋もれていた才能の発掘に力をいれていた。海燕新人文学賞を主催し、小林恭二・佐伯一麦・吉本ばなな・小川洋子らを世に出した。島田雅彦もこの雑誌から登場した。
しかし、文芸雑誌全体の不振のなかで、部数も減り、最末期には実売部数よりも新人賞の応募者数のほうが多いと揶揄される状態になり、出版元の文芸部門からの撤退とともに廃刊となった。
井伏鱒二『鞆ノ津茶会記』富士川英郎『菅茶山』など、地味な大作が連載されていたのも特徴であった。