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Intel Core 2

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Intel Core 2(インテル コア ツー)はインテル2006年7月27日に発表したx86命令セットを採用するCoreマイクロアーキテクチャCPU

Intel Core 2 Duo E6600。4辺の黒い突起は、裏側のLGA面の保護カバーを固定するツメ。

製品ラインナップ

消費電力と発熱の増大が改善されないNetBurstマイクロアーキテクチャと、消費電力と発熱は穏やかであるものの絶対的な性能が低いIntel Coreプロセッサの、双方の後継のマイクロアーキテクチャとして開発されたCoreマイクロアーキテクチャを採用し、コンシューマ向けプロセッサとして発売された。

元々はモバイル向けとして開発され、そこからデスクトップ、ワークステーション、サーバ向けの製品が派生的に開発されている。その為、Coreマイクロアーキテクチャ内での世代を表すコードネームは、モバイル向けの標準ダイものが用いられる。しかしそれぞれの用途向けであっても内容的にはほぼ同じであり、先行して開発が進んでいたモバイル向けにそれぞれの用途向けの機能が追加されていった。組み込まれた機能を無効化することでそれぞれの用途向けに作り分けられている。

製品名 Meromファミリ Penrynファミリ
デスクトップ向け デュアルコアCore 2 Extreme Conroe-XE
クアッドコアCore 2 Extreme Kentsfield-XE Yorkfield-XE
Core 2 Quad Kentsfield Yorkfield
Core 2 Duo Conroe/Allendale Wolfdale
Pentium Dual-Core Conroe/Allendale Wolfdale
Celeron Dual-Core Allendale-512K
Celeron Conroe-L/Merom Perryville
モバイル向け Core 2 Extreme Merom-XE
Core 2 Duo Merom Penryn
Core 2 Solo Merom-SC
Pentium Dual-Core Merom-SC
Celeron Merom-SC
サーバ / ワークステーション向け デュアルコアXeon (E)3000番台 Conroe Wolfdale
クアッドコアXeon X3000番台 Kentsfield Yorkfield
デュアルコアXeon DP 5000番台 Woodcrest Wolfdale-DP
クアッドコアXeon DP 5000番台 Clovertown Harpertown
4CPU以上を搭載するサーバ向け デュアルコアXeon MP Tigerton-DC
クアッドコアXeon MP Tigerton-QC Dunnington-QC
ヘクサコアXeon MP Dunnington-hexa

デスクトップ向けラインナップ

現行製品は内容的にはどれも同じで、コアの数、キャッシュの容量、FSBの速度、そして熱設計電力(TDP)で差別化が行われている。

Core 2 Extreme (デスクトップ向け)

ハイエンドデスクトップ/ワークステーション向けCPU「Pentium Extreme Editionシリーズ」の後継製品。コアユーザー、ゲーマー向けのハイパフォーマンスCPUとして発表された。Extremeは、その他の製品と違い内部コアクロックの倍率が固定されておらず、変更が可能となっている。

Conroe-XE(コンロー・XE)
Intel Core 2 Extremeの第一世代の製品。Core 2の最上位製品であるが、Core 2 Duoとの差はほとんど無い。相違点は動作周波数が1段上回り、コアの動作クロックの倍率が固定されていない点のみである。行き詰まっていたPentium Extreme EditionPentium Dの速やかな更新が必要で、Core 2 Duoと差別化をする余裕がなかった為と考えられる。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
X6800 2.93GHz (266x11) 2コア 1066MHz 4MB × LGA775 75W 2006年7月27日発表(JP)
Kentsfield-XE(ケンツフィールド・XE)
2006年11月14日に発表されたCore 2 Extremeの新製品。2個のConroeの半導体ダイを1個のパッケージに封入したMCM方式のクアッドコアプロセッサ。複数のダイを一つにパッケージングするMCPは、開発期間短縮と歩留まりの向上に効果がある。しかしダイ間の通信はFSBを介して行うのでダイ間の通信速度は同ダイ上のコア間より遅くなってしまう。また同ダイおよび別ダイでコア同士の関係が同一ではないので、状況により処理能力に違いが発生する場合がある。この問題はWindows 2000までのWindowsで顕著であった。Windows XPにおいてHyper-Threading Technologyのサポートが行われる際に、この不均質な関係を持つCPUのサポートが追加され、BIOSから各CPUの情報を得てタスク割り当ての参考とするようになった。これにより処理内容によっては処理効率が大きく向上した。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
QX6850 3.00GHz (333x9) 2コアx2 1333MHz 4MB×2 × LGA775 130W
QX6800 2.93GHz (266x11) 1066MHz
QX6700 2.66GHz (266x10)
Yorkfield-XE(ヨークフィールド・XE)
第2世代であるPenrynファミリーで最初に発表された製品の一つ。2007年11月11日に発表された。この時点ではQX9650のみ。デュアルコアの2個ダイをKentsfield-XEと同じくMCM実装している。プロセッサーナンバーはQX9000番台で、QX6000シリーズの上位モデル。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
QX9775 3.20GHz (400x8) 2コアx2 1600MHz 6MB×2 × LGA771 150W
QX9770 3.20GHz (400x8) LGA775 136W
QX9650 3.00GHz (333x9) 1333MHz 130W
  • QX9750についてはまだ販売が決定しているわけではない
  • 小売用のQX9000番台には、青色LEDのデコレーション付き120mmファンを使用したクーラーが付属する

Core 2 Quad (デスクトップ向け)

Kentsfield(ケンツフィールド)
2007年1月9日に発表されたCore 2 Duoの上位製品。Power Classはクアッドコアを示すQが付くだけで、消費電力を表すアルファベットは付かない。
2008年2月AMDの新製品Phenomに対抗する為に、インテルは恒例とも言えるディスカウント攻勢にQ6600を起用した。市価は高クロックのデュアルコア製品よりも低めに設定され、あわせてIntel2 チップセットマザーボードに対するリベートを加える事でQ6600を2万円前後で入手できるようにした結果、クアッドコアブームが起こった。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
Q6700 2.66GHz (266x10) 2コアx2 1066MHz 4MB×2 × LGA775 95W 2007年7月17日(JP)発表
Q6600 2.40GHz (266x9) 105W / 95W(Stepping G0以降) 2007年1月8日(US)発表
Yorkfield(ヨークフィールド)
45nmプロセスで製造される第二世代のCore 2 Quad。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP 備考
Q9650 3.00GHz (333x9) 2コアx2 1333MHz 6MB×2 LGA775 95W 2008年8月10日(JP)発売
Q9550 2.83GHz (333x8.5) 2008年3月24日(US)発表
Q9450 2.66GHz (333x8)
Q9400 3MB×2 2008年8月10日(JP)発売
Q9300 2.50GHz (333x7.5) 2008年3月24日(US)発表
Q8300 2MB×2 × × 2008年12月2日(JP)発売
Q8200 2.33GHz (333x7) 2008年8月31日(JP)発売

Core 2 Duo (デスクトップ向け)

Conroe(コンロー), Allendale(アレンデール)
第一世代のデスクトップパソコン向けCore 2 Duoのコードネーム。2次キャッシュが4MBのものをConroe、2次キャッシュが2MBのものをAllendaleとしている。ただし、E6400, E6300は物理的に4MBの2次キャッシュが搭載されている内の2MBが無効にされている。コアが同じであるため、資料に4MB同様Conroeと表記されているが、AllendaleはE4300などの2次キャッシュが2MBに削減されたコアのコードネームである。
消費電力や発熱で行き詰っていたPentium 4Pentium Dを置き換える製品。絶対性能でPentium Dを超え、かつ消費電力もより低くなっているため、消費電力あたりの性能は非常に高い。しかし動作温度の上限値であるTcaseがやや低下しており、性能をフルに発揮させるためにはそれなりに冷却に気を遣う必要がある。Pentium 4やPentium Dなどと同じくLGA775ソケットを採用するものの、その高度な省電力機能の代償としてマザーボード上のVRM部により細かな電源管理能力が必要とされるため、Pentium DやPentium 4向けに製造されている古いマザーボードでは全ての機能を利用する事はできない。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E6700 2.66GHz (266x10) 2コア 1066MHz 4MB × LGA775 65W
E6600 2.40GHz (266x9)
E6420 2.13GHz (266x8)
E6400 2MB
E6320 1.86GHz (266x7) 4MB
E6300 2MB
E4700 2.60GHz (200x13) 800MHz ×
E4600 2.40GHz (200x12)
E4500 2.20GHz (200x11)
E4400 2.00GHz (200x10)
E4300 1.80GHz (200x9)
  • L2キャッシュ2MBのE6300/E6400については組込向けを除いて生産終了している。
  • 2007年4月22日の価格改訂後のE6300/E6400についてはAllendaleコアを搭載しているとの情報もある。
Conroe (コンロー)
ConroeコアのFSBを1333MHzに引き上げたもの。新たにTrusted Execution Technology (TXT) がサポートされる。その他のスペックについては同じ。Intel 3 Seriesと一部のP965 Expressに対応している。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E6850 3.00GHz (333x9) 2コア 1333MHz 4MB LGA775 65W
E6750 2.66GHz (333x8)
E6550 2.33GHz (333x7)
E6540 ×
  • E6540については組込、OEMメーカー向けで、一般ユーザーが入手できる機会は少ない。
Wolfdale(ウルフデール)
45nmプロセスで製造される第二世代のCore 2 Duo。TDPはConroeと変わらず65Wであるが、2次キャッシュの増量(4MB→6MB)が行われている。対応マザーボードはConroe (FSB1333MHz)と同じ。初期の製品にはコアの温度計測を正常に行なえないものが含まれている。2008年4月下旬には E4000シリーズ 後継の E7000シリーズ が発売された。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
E8600 3.33GHz (333x10) 2コア 1333MHz 6MB LGA775 65W
E8500 3.16GHz (333x9.5)
E8400 3.00GHz (333x9)
E8300 2.83GHz (333x8.5)
E8200 2.66GHz (333x8)
E8190 × ×
E7400 2.80GHz (266x10.5) 1066MHz 3MB
E7300 2.66GHz (266x10)
E7200 2.53GHz (266x9.5)
  • E8190は組込、OEM向けである([1])ことから、一般ユーザーが入手する機会は少ない。

モバイル向けラインナップ

Core 2 Extreme (モバイル向け)

2007年Q3以降、モバイル向けにもCore 2 Extremeがラインナップされる。モバイル向けとしては消費電力は高いが、さらにオーバークロックやNVIDIA SLIとの組み合わせを前提としている。

Merom(メロン/メロム)
最初のモバイル向けCore 2 Extreme。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP Turbo Mode (IDA)
X7900 2.80 GHz (200x14) 2コア 800MHz 4MB × Socket P 44W ×
X7800 2.60 GHz ×
Penryn(ペンリャン/ペンリン)
45nmプロセスで製造されるモバイル向けのCore 2 Extreme。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP Turbo Mode (IDA)
QX9300 2.53 GHz 2コアx2 1066MHz 6MB×2 45W 2.8T GHz
Q9100 2.26 GHz 2.53T GHz
X9100 3.06 GHz 2コア 6MB 44W
X9000 2.80 GHz 800MHz

Core 2 Duo (モバイル向け)

Merom(メロン/メロム)
2006年8月29日に発売されたモバイル向けCore 2 Duoの第一世代のコードネーム。Conroeより更に消費電力を引き下げるために厳密な電源管理を必要とするものの大きく分けて3つの機能を搭載しており、TDPを引き下げている。
前世代のモバイルプロセッサであるIntel Coreと同じSocket M(Socket 479M)を引き続き採用しており、BIOSCPUに対応していれば、基本的にはそのまま載せ替えて動作させることが可能である。Centrinoブランドの第3世代にあたり、プラットフォームコードネームは「Napa64」「Napa Refresh」である。
チップセット「Crestline(クレストライン)」、無線LAN「Kedron(ケドロン)」と共に第4世代プラットフォーム「Santa Rosa」を構成する、2007年に発売されたFSB800MHz版は新たにSocket Pを採用している。
消費電力が大きいPentium 4やPentium Dを置き換えることで大幅な省電力化に成功したデスクトップ向けと異なり、モバイル向けでは依然消費電力が前世代のCore Duoを上回っており、その低減が今後の課題である(モバイルよりさらに低消費電力が求められる製品はCore Soloがベースとなっている)。
プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP Turbo Mode (IDA)
T7800 2.60 GHz (200x13) 2コア 800MHz 4MB × Socket P 35W 2.8T GHz (200x14)
T7700 2.40 GHz (200x12) 2.6T GHz (200x13)
T7600 2.33 GHz (166x14) 667MHz Socket M 34W N/A
T7500 2.20 GHz (200x11) 800MHz Socket P 35W 2.4T GHz (200x12)
T7400 2.16 GHz (166x13) 667MHz Socket M 34W N/A
T7300 2 GHz (200x10) 800MHz Socket P 35W 2.2T GHz (200x11)
T7250 2MB
T7200 2 GHz (166x12) 667MHz 4MB Socket M 34W N/A
T7100 1.80 GHz (200x9) 800MHz 2MB Socket P 35W 2.0T GHz (200x10)
T5600 1.83 GHz (166x11) 667MHz Socket M 34W N/A
T5500 1.66 GHz (166x10) ×(Stepping B2)/○(L2) N/A
T5470 1.60 GHz (200x8) 800MHz × Socket P 35W N/A
T5450 1.66 GHz (166x10) 667MHz Socket M 34W N/A
T5300 1.73 GHz (133x13) 533MHz N/A
T5250 1.50 GHz (166x9) 667MHz N/A
T5200 1.60 GHz (133x12) 533MHz N/A
L7700 1.80 GHz (200x9) 800MHz 4MB Socket P 17W 2.0T GHz (200x10)
L7500 1.60 GHz (200x8) 1.8T GHz (200x9)
L7400 1.50 GHz (166x9) 667MHz Socket M N/A
L7300 1.40 GHz (200x7) 800MHz Socket P 1.6T GHz (200x8)
L7200 1.33 GHz (166x8) 667MHz Socket M N/A
SL7100 1.20 GHz 800MHz
U7700 1.33 GHz (133x10) 533MHz 2MB × Socket M 11W N/A
U7600 1.20 GHz (133x9) N/A
U7500 1.06 GHz (133x8) N/A
Penryn(ペンリャン/ペンリン)
45nmプロセスで製造される第二世代のモバイル向けCore 2 Duo。Montevina及びSanta Rosa Refreshプラットフォームを構成する。モバイル向けでは初めてSSE4に対応した。

OEM向けにはTDP55WのE8x35シリーズもある。

プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP Turbo Mode (IDA)
T9600 2.80 GHz 2コア 1066MHz 6MB 35W
T9500 2.60 GHz 800MHz ×
T9400 2.53 GHz 1066MHz
T9300 2.50 GHz 800MHz ×
T8300 2.40 GHz 3MB
T8100 2.10 GHz
P9500 2.53 GHz 1066MHz 6MB 25W
P8600 2.40 GHz 3MB
P8400 2.26 GHz
SP9400 2.40 GHz 6MB
SP9300 2.26 GHz
SL9400 1.86 GHz 17W
SL9300 1.60 GHz
SU9400 1.40 GHz 800MHz 3MB 10W
SU9300 1.20 GHz

Core 2 Solo (モバイル向け)

Merom(メロン/メロム)

シングルコアのcore 2。Core 2 Soloは発売されないと言われていたが、それはデスクトップ向け製品に対する発言だったと言える。

プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア数 FSB 2次キャッシュ VT対応 TXT対応 ソケット TDP
U2200 1.20 GHz (133x9) 1コア 533MHz 1MB × Socket M 5.5W
U2100 1.06 GHz (133x8)

外部リンク

関連項目