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Arduino

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Arduino Software
開発元 Arduino Software
最新版
プラットフォーム クロスプラットフォーム
ライセンス LGPLまたはGPLライセンス
公式サイト http://www.arduino.cc
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Arduino は、単純な入出力を備えた基板と Processing/Wiring 言語を実装した開発環境から構成されるシステム。Arduino はスタンドアロン型のインタラクティブ・オブジェクト開発にも使え、ホストコンピュータ上のソフトウェア(例えば、Adobe FlashProcessingMax/MSPPure DataSuperCollider)で制御することもできる。現在、組み立て済みの基板を購入することもできるが、ハードウェア設計情報は無料で公開されており、誰でも自分の手で Arduino を組み立てることができる(オープンソースハードウェア)。

実装

ハードウェア

Arduino 基板上には、Atmel AVR マイクロコントローラ(ATmega168、古いバージョンでは ATmega8 が使われていた)を中心とした回路がある。少なくとも5Vシリーズレギュレータと16MHz水晶発振子(またはセラミック発振子)が含まれる。マイクロコントローラにはブートローダが事前にプログラムされている。

概念レベルでは、RS-232シリアル接続でプログラムされるが、ハードウェアの実装はバージョンによって異なる。シリアルArduino基板には、RS-232レベルの信号をTTLレベルの信号に変換する単純な回路が含まれる。現在出荷されている Diecimila などはUSB経由でプログラムされ、USB-to-serial アダプタチップ(FTDI FT232 など)を使って実装している。Arduino Mini や非公式の Boarduino といった基板では、ホストコンピュータとの接続を基板外の USB-to-serial アダプタやケーブルに任せている。

Arduino 基板はマイクロコントローラのI/Oピンのほとんどを他の回路で使えるようにそのまま解放している。例えば Diecimila では、14本のデジタルI/Oピンが利用可能で、そのうち6本はパルス幅変調信号を生成でき、他に6本のアナログ入力がある。これらのピンは基板の一方の端にあるコネクタに集約されている。ここに接続する応用基板も発売されている。

ソフトウェア

Arduinoの統合開発環境クロスプラットフォームJavaアプリケーションであり、エディタ、コンパイラ、基板へのファームウェア転送機能などを含む。

開発環境は Processing ベースで、ソフトウェア開発に不慣れなアーティストでも容易にプログラミングできるよう設計されている。プログラミング言語は Wiring[1] という言語から派生したもので、C言語/C++風の構文で制限の多い基板向けに最適化されている。

ハードウェアのバージョン

Arduino NG

オリジナルのArduinoハードウェアは Smart Projects が製造している。

これまで商用製品として製造されたArduinoハードウェアには、7つのバージョンがある[2]

  • Serial Arduino - DB9シリアルインタフェース装備。ATmega8使用。
  • Arduino Extreme - USBインタフェース装備。ATmega8使用。
  • Arduino Mini - 小型版。ATmega168使用。
  • Arduino NG - USBインタフェースを装備。ATmega8使用。
  • Arduino NG plus - USBインタフェースを装備。ATmega168使用。
  • Arduino BT - Bluetoothインタフェースを装備。ATmega168使用。
  • Arduino Diecimila - 最新版。USBインタフェースを装備。ATmega168使用。DIL28パッケージ。

ハードウェア設計もソフトウェア製品もオープンソースであるため、他の製造業者も製品をリリースしている(後述する名称問題のため "Arduino" という名前は使っていない)。

オープンハードウェアとオープンソース

Arduino のハードウェア設計は Creative Commons Attribution Share-Alike 2.5 ライセンスで提供されており、Arduino のWebサイトで入手可能である。レイアウトなどの情報もいくつかのバージョンのものが公開されている[2]統合開発環境のソースコードと基板上のライブラリはGPL v2ライセンスで提供されている[3]

名称の制限

ハードウェア設計もソフトウェアもコピーレフトライセンスで提供されているが、開発者は "Arduino" という名称が商標の普通名称化となることを避けたいと考えており、許諾無く派生製品に使うことを禁じている。Arduino という名称の使用に関する公式方針文書では、プロジェクトが第三者による作業結果を公式な製品に組み入れることについてオープンであることを強調している[4]

Arduino という名称が使えないため、Arduino ユーザーは Arduino Diecimila をリバースエンジニアリングで解析し、同等の基板を Freeduino としてリリースした[5]

開発チーム

開発チームの主要メンバーは、Massimo Banzi、David Cuartielles、Tom Igoe、Gianluca Martino、David Mellis、Nicholas Zambetti。

脚注

関連項目

外部リンク